歯のはなし 2009月3月号
<歯と顎の大きさの不調和>

先日、知り合いの歯科の先生より、次のような“小児の歯並び”に関する話を参考文献と共に聞かせていただきました。

最近、“子供たちの歯並びにおいて、凸凹の生じる率が増加している”と考えられています。

今までは“乳歯は自然に抜け、その後に永久歯が自然に生えてくる”という考えが常識化していると思われます。また、近年では軟らかい食物を常に摂取することが、顎の大きさの減少に繋がると力説されるようになりました。本当に現代の日本人の顎は小さくなって来たのでしょうか!!?

現代人と昔の人の歯の大きさを比較した近年の研究発表(鹿児島大学、広島大学)によれば、現代人の顎は昔の人と比べてみてもあまり変化がないのに対して、歯の大きさが大きくなっていると報告されています。歯並び不調の一番の原因は歯の大きさと顎の大きさのアンバランスです。つまり、現代人は顎の大きさは変わっていないにも関わらず、歯だけが大きくなっている…そのことが歯並び不調の原因といえるでしょう。

乳歯20本は6〜12歳頃に28本の永久歯へと生え変わります(おやしらずは除く)。永久歯が生え始める6歳頃以前の前歯には隙間(すきっ歯の状態)が存在します。乳歯が抜けた後、更に大きな永久歯が生えてくるための準備として、顎が大きく成長するための隙間が発生するのです。従って、永久歯が生え始める時期に隙間のない子供は、かなりの確立で歯並びが悪くなります。最終的な顎の大きさに対して、永久歯の大きさがあまりに大きい場合は全部永久歯に生え変わった時点で、一部の歯を抜歯してスペースを作り、本格的な矯正治療が必要となって来ます。しかし、乳歯から永久歯に生え変わる間に、生え変わりのスペース調整,奥歯の後方移動や顎の幅を広げるなどの治療・管理を行うことで、歯を抜かずに矯正治療が可能な場合もあります。生え変わりの時期(成長期)に行うことが重要なので、まずはかかりつけの歯科医院を受診し、相談されてみたはいかがでしょうか?