歯のはなし 2006年11月号
<妊娠時の歯の治療>

 口の中は、ネバネバした歯垢の中に細菌が沢山いて、我々は、それを毎日飲んでいるといったらびっくりすることでしょう。毎食後、歯ブラシで感染を防ぐため予防をしているのですが、糸ようじの先で歯の表面をこすって1000倍の顕微鏡で見るとどなたもびっくりしてあわてることでしょう。

 この細菌は、全身に色々な病気を誘発もします。特に、重度の歯周病をもった妊娠は、細菌から出る化学物質が子宮を収縮させて早産にもつながる原因のひとつであるという報告もあります。環境を変える事で状態も良い方向に改善されることでしょうから、ぜひ、丁寧に仕上げ磨きを続ける習慣を身につけて欲しいものです。

妊娠初期から3ヶ月の間は、可能な限り治療は避けてください。妊娠後期(臨月)は、早産のおそれがありますので注意して下さい。

@ 初期から3ヶ月位までは、胎児の色々な器官形成期であるため、X線被爆は避けて下さい。この時期は、精神的、感情的にも不安定になるため治療は充分注意した方が良いでしょう。

A 妊娠後期(7〜9ヶ月)には、ちょっとした緊張や刺激でも本人がつい力が入り、早産する危険性があります。また、お腹がかなり大きくなっているため、仰向けになると腹部の血管を圧迫することになり、長時間の歯科治療は避けた方がよいでしょう。

B 妊娠安定期(4〜6ヶ月)は生理的にも安定しているため、適度な歯科治療を行っても良いでしょう。歯科用の局所の麻酔は局所で分解されますから、胎児への影響は心配ないでしょう。ただし、抜歯は可能な限り延期して下さい。

いずれにしましても、歯科治療を受ける前に、ドクターに現在治療何週目か妊娠中の経過、流産したことがあるかどうか、薬などのアレルギー体質であるか話すことは必要です。

特に、胎児に影響を及ぼす薬もありますので、妊娠の可能性がある場合も、必ず医療スタッフにお申し出下さいませ。

痛み止めも出来る限り薬局で買って服用しないことが望ましいです。いずれにしましても子供が生まれてからの歯科治療は乳児を育てるのに追われ、大変だと思います。

個人差はありますが、産婦人科医師とよく相談されることをおすすめします。