歯のはなし 2006年5月号
<あなたの歯の健康は?>

今から10年ほど前、よくテレビで名古屋の長寿100歳の「きんさん、ぎんさん」の2人が画面いっぱいに映し出されていたのを思い出します。

前歯が数本しかなかったのに、あのニコニコした顔の前にアナウンサーはマイクロフォンを近づけて「長寿の秘訣は?何を食べていますか?」などと質問していました。

 日本で10年前の百寿者は約5000人でしたが、現在は2万5000人と約5倍です。痴呆や寝たきりにならないで、いつまでも健康で生活の質の面においても、人に迷惑をかけずに、自立した活動的な状態の人生を送れると良いのですが…。

患者さんとの会話でA「先生、俺の人生もすぐお迎えがきているから、あまり良い歯の材料を使わないでくださいよ」とかB「少しお金がかかっても義歯は薄くて丈夫な材料の金属床で作ってください」C「私もそう命が長くないのだから、痛いところだけを治して欲しい」と話される色々なタイプの方がいます。

ある年齢の人が、あと何年生きることが出来るかは、平均寿命で健康寿命とは異なります。健康寿命とは、健康で自立した生活を送ることができる年数です。人間の肉体の寿命は約120年くらいと言われていますから、それも医学の著しい進歩により、今後は老化のスピードをいかに遅くさせるかにかかっていると考えます。

昭和46年度の死因順位は@脳血管疾患AガンB心疾患でありましたが、昔と違って今の全死因の6割以上が、男女とも@ガンA心疾患B脳血管疾患の順の3大死因が占めています。これらにかからないよう注意したいものです。

年をとると味覚が鈍くなりやすいため、つい味付けを濃くする傾向がありますが、薄味でも工夫次第でおいしくなりますから、お年寄りが食べやすいように料理を考えたいものです。日常の生活は、ストレスもなく、夜はぐっすり眠り、日中は自分に合った軽い運動をして、タバコを吸わないなど正しい習慣を持続することが大切です。

昔から老化を防ぐためには、年齢に関係なく、手足の指の先に刺激を加えると体の血管の循環が良くなり、脳の働きもよくなると言われていますから、あまり薬に頼らず、食事はゆっくり楽しみながら、しっかりとよく噛んでボケを防ぎ、脳卒中をも防ぐようバランスのとれた栄養を摂りたいものです。