歯のはなし 2006年3月号
               <酒−歯−金>   

 正月に遊びに来ていた孫が「あら、このビンの中にキラキラと黄色いものが浮かんでいる。きれいだね。」と言いました。「これは金箔だよ」と答えましたが、孫は何故かとても不思議そうな顔をしていたのが印象的でした。

 金箔は、昔から、めでたい席などでよく日本酒、和菓子、洋菓子などに入って売られています。金箔は、ただ高級感を出し、豪華さを出しているだけにすぎず、食べても栄養がつくわけでもありません。また、吸収されないため、毒にも害にもなりません。

 これは、濃い硝酸と塩酸の混合液である王水には溶けますが、人間の家城の酸で溶かすことは出来ませんから、食べたり飲んだりしてもそのまま排出されることになります。もったいないですね。金箔は、金が95%で、微量の銀が5%の合金比率で入っています。

 色々と用途により金、銀、銅などの%があります。一般にこの金合金を箔にするためには、金槌や機械ハンマーでたたいて厚さを約0.0001oにすけて見えるくらいに薄く伸ばして、日常生活にも利用されています。

 日本では、金閣寺の建物の内装や外装が、代表的なものでしょう。金箔は、主に仏具や仏壇に使用され、特に外国のバンコクの寺院や仏像などの表面に張ったものがよく見られます。

 歯科材料としての金箔は、比較的小さな箱形の穴の中に箔を焼きなましするため加熱して、水分をとって、粘性を出してから充分に圧を加えながら、積み重ねて目的の形にまで修復します。しかし、最近はあまり使われていませんが、予後は審美的な面を除いても、口の中では最も安全で、化学的にも耐久性がすぐれた材料のひとつです。