歯のはなし 2005年8月号

                  <歯と食事>

 私が子供の頃は、小魚は丸ごと余すことなく食べ、骨までしゃぶっていたものです。時代が変わり、今は、デパート、スーパーの店頭には栄養のバランスを含むものをサランラップでカラフルに包んで、食べやすく売っているではありませんか。

 娘が子供と一緒に遊びに来た時に、食事の様子をみると好き嫌いがないようにしっかりゆっくり時間をかけ、咬ませて食べさせているので少しは安心しています。雑誌などでも、よく咬むことにより脳の記憶する部分が活発になり記憶力や集中力が増してくる、といった事などが書かれているのを目にします。私も全くその通りだと思います。

幼児の会話では、1歳頃から自分の要求する片言を話し始め、2歳頃には話し語が増し、特に「アイウエオ」の日本語の5つの母音をきちんと話すため、どんどん顎の周りが発達し、発音がよくなってきます。食事のときは、急がせず小さいうちから歯ざわり、噛み応えの効果がでるように食感させることが母親の役目の一つで、大切なことだと思います。子供の頃からしっかり咬んで食べていると老後も楽しいと思います。

 現在の小・中学校給食はO−157等に感染しないよう、くだもの以外の生ものは出さずに全て80℃以上で加熱してから生徒に食べさせているようです。特に、揚げ物の加熱調理方法は中心部まで加熱されているか、温度計で確認しながら揚げているようです。従って、生ものを食べると「あぁ、トマト、キュウリ、ニンジン…はこんなに美味しかったんだなぁ」と改めて実感する、という話を聞いた事があります。特に、幼児、小学生、中学生のいる家庭では、日本の伝統ある食生活に特に好き嫌いのないよう充分気をつけて欲しいと願っています。

 学校では、勉強だけではなく、食の大切さも指導して欲しいですね。子供の好きなメニューは、カレーライス、ハンバーグ、スパゲッティなど共通して料理が柔らかで咬み応えのない食事だけでは上下顎の発育をだめにしてしまうことでしょう。もし、歯並びが悪いと引っ込み思案になったり、人前にも出なくなり、性格までも左右されやすくなりがちです。塾やピアノなどのおけいこ事のスケジュール最優先よりは先ず一生に関わる歯の健康を第一に考えるのが親の責任だと思いますが。