歯のはなし 2002年2月号
         

<頭蓋骨との出合い>

大学3年生の夏休みの宿題の1つに『抜歯した歯を集めること』があった。帰札後、当時の札幌医大の口腔外科教室と北大の口腔外科へお願いに行った所、大きなビンに入った抜去歯をいただき友人と分けることが出来た。

 当時の林教授(故人)はその時に『佐藤君歯の鑑別をするだけでなく、ここに成人の正常咬合の頭蓋骨を夏休みの一ヵ月期間貸してあげるから勉強したまえ』というのが、私と頭蓋骨の出会いであった。

 何と頭蓋骨標本は非常に内部構造が精密で解剖学の本や教科書を見ると、特に神経や血管が走行している孔、管、顎の関節などの仕組みを立体的に確認できた。「すばらしい」と言葉では表現できないほど身震いした経験がありました。 それが解剖学が好きになったきっかけで、諸先生に貴重な体験をさせていただき、感謝している次第です。さらに大学では「歯の解剖学」の著書、藤田恒太郎授(故人)からも直接講義を聞くことも出来、理解が深まった。

 私の人生にとって、この貴重な知識の宝は今でも治療をする際の支えになっているのは言うまでもありません。 長男誕生の際には「恒太郎」をあやかり名前をつけたほどでした。

 現在の日本人の骨格は昔と違って全体として大きく(身長など)なってきていますが顔の下半分は相対的に小さくなりつつあるようです。

 特に顎の張りがなくなり、丸くなってきているため歯並びの歯列がでこぼこになってきているのは食生活の変化にも関係があることでしょう。

 ぜひ幼児期、学童期の成長発育期は特に大切で軟らかい食べ物だけでなく、歯ごたえのある硬いものを噛む習慣をつけるようにしていただきたい。よく噛んでカルシュウムで顎の骨を厚くする方向になって自分の歯や顎を守ってほしいものです。

 顎を成長させましょう〃