歯のはなし 2001年12月号

〈 国が変われば、治療も変わる 〉

       コロンビアでの歯の話

患者さん長南さんは日本人学校で日本語を教え、1999年から今年まで2年間コロンビア第二の都市カリ市で暮らした体験の話です。

「そこは、人口200万人,海抜1000mのアンデス西山脈である。気候はとても良く、年中初夏の気候であり、肉、野菜、果物が豊富で安く暮らしやすい。

 ここで、驚いたのは子供、大人に関わらず、また男女に関わらず歯の矯正をしている人が多いと言うことである 日本ではあまり見かけなかったが、ここではニャッと笑うと歯には金冠でもない針金状の細工?をしている人が良く目立った。(これが後で分かったことだが矯正だと聞いた。本当に私の認識不足も甚だしい)。歯科技術は日本ほどではなくても高水準だと言われ、私の知っている日本人がたまたま歯科治療に行き、聞いた話ではとても便利で、X線をかけるのに診察治療台に座ったままかけるので、すごく便利だと話していた。私はX線はX線室と言う別室でかけるものと思っていたので感心して聞いていたのだが日本でも今同じなのだろうか、どうなのだろう。コロンビアは殆どがアメリカで学んだ歯科医だそうである。勿論日本へも留学して技術を学ぶ人もいる。したがって歯科のみならず一般医療に於いても水準が高いと言われている。

 コロンビアでは幸いにも歯は一度も痛くならず良かったのだが、そのかわりコロンビアの歯科医の仕事振りは分からなかったのは残念であった。

 ご承知のようにコロンビアの人口の殆どが西洋系の白人であり、それに奴隷時代の名残の黒人、それにインディオである。特に西洋系は体質的か、何によるのかが分からないが歯が丈夫らしく皆、きれいな白い歯を持っている。あまり虫歯のある人は見かけなかった。体格が良く骨も太く丈夫そうである。そんなことが丈夫な歯でもあるともいえるのではないのだろうか。そしてラテンの血を引き美人、美男が多く陽気であり、お洒落である。歯の矯正はそういう気質がそうさせるのだそうだが、コロンビアでも歯の矯正は決して安いものではないし、日時もかなりかかるらしい。一説にはこれがそのステ-タスのひとつで裕福さと美女美男のシンボルだとも言われているのですが....。

 また一般病気に於いてはどうでしょう。日本のように長い入院生活はない外科などはせいぜい1〜2日で、かなり大手術でも3日位で帰される。現に私の知り合いの方が脳溢血で入院した時(残念なが1ケ月ぐらいで亡くなった)、見舞いに行くと、無意識の人へ日本人はどうして何回も見舞いに来るのだろう、どうして日本人は何時までも入院を希望するのだろう、入院が好きなのだろうと言っているという。ちょっとした手術はその日のうちに帰す。私と同僚の女性の先生が目の手術をした。なんでも網膜剥離とか、それでもその日のうちに帰ってきた。家で安静にしなさいと言う訳だ。また肺を手術した方は、約1週間、日本ならまず何ヶ月と言うところでしょう。しかしこの頃、日本でも退院は早くなったと聞いている。

その点日本の国は国民を大事に加護し、また国民はそれに甘んじ国に頼りすぎる傾向にあるし、何かあると国が悪いと言いがちである。日本人が海外へ出てあまりにも無防備過ぎるのも大切にされ、加護の元で育ち、抗体が出来ていないからでしょう。もっと自分の事は自分でする。当たり前のことが欠けているようだ。そのせいか日本人が外国へ行って、大抵一度は被害にあっている。」

 最近の母親は子供が生まれたらまず、歯並びを気にし、口元のコンプレックスを与えないよう、歯に対する意識が高くなっているようです。素敵な笑顔は愛らしいものです。