歯のはなし 2001年4月号
<義歯(入れ歯)と美しさ>

患者さんに義歯を入れる時、いかにその義歯が患者さんの顔に調和し、より自然で好ましい口元を持たせるかが必要です。健康的な口元を再現するためには主に、上下の前歯から犬歯の歯の形、色、長さ、大きさ上下の被蓋の程度が重要になります。噛み合わせた時に下の歯が上の前歯で覆われて、噛み合わせが見えないほど深くなると、将来は口、顎、顔が曲がって見えてきたり、全身的にも色々と問題も起こってきます。
写真を撮る時「ハイ、チ−ズ」等と色々声を掛け合って笑った写真を撮ろうとしますが、歯が見えないと少し老けた感じがするでしょう。また上の歯の輪郭(歯の根元)がはっきり見える位が若々しく見えますが、歯ぐきがあまりにも見えすぎますと不自然で美しいとは言えません。この美しさは特に笑った時によく分かります。見る人によっても評価は人様々に違うことでしょう。これは歯科医師の心のあり方やテクニックが美を技術的に作り出すことに関係があることでしょう。例えば、ごく僅かな人工歯の摩耗度、隙間、傾きをちょっと与えることによっても、その患者さんの個性が変わってきます。
総義歯の場合は、上下、前後、左右の骨の状態の吸収の程度は同じではありません。
噛み合わせで不均衡な圧力がかかると、粘膜の下の毛細血管が圧迫され、血液の流れが阻害されます。その結果、代謝障害が起こり骨の抵抗力は低下して、骨吸収がどんどん進行し顔の表情まで変わってしまいます。更には全身の骨格にも影響することもあります。骨が再吸収されないよう適合の良い義歯が必要です。
鏡の前で今一度上唇の緊張感、下唇の膨らみや、立って見て正面、側面からも全体の調和をチェックされてみてはいかがでしょうか。