歯のはなし 2000年9月号
<唾液>

ご飯をよく噛むほど甘く感じるのは、唾液中のアミラゼ−の酵素がデンプンを麦芽糖に分解する消化作用のためです。これはデンプンの約半分が唾液で分解され、残りの約半分は胃に送られて腸で分解されるのです。
食事中にゆっくりと多く噛むことにより、唾液による消化作用が促進され、より食事を美味しく取る事が出来ます。さらに胃の負担も軽くなります。
口の中で、唾液は口腔粘膜をうるおしたり、歯のエナメル質の表面に薄い皮膜を作ってう蝕を防ぐ保護作用もあり、又総義歯と皮膜との間に薄く唾液でぬれて、義歯の維持にも関与したりしています。
口の中に出来た傷は、皮膚の怪我の時よりも早く直ります。唾液には細菌の活動を押さえたり(抗菌作用)、血がにじんできた時血液を固めて傷口を防ぐ物質も入っています(血液凝固作用)。
又強いアルコ−ル、酒を飲んでも、唾液が出て薄めて中和してくれるため、唾液は口の中の環境を維持する上で重要な役割を持っています。ツバをぺっ、ぺっと吐いたりしないで下さい。
日常生活の習慣では、切手を貼る時、本のペ−ジを、ガス管にゴムホ−スが入りにくい時、綱引きの時などツバを付けた経験があると思います。唾液は99%以上は水分で、これに有機物、無機物質がごくわずかに溶けています。
ややアルカリ性で透明の混合唾液(ネバネバ+サラサラした液体)は大小の唾液腺から1日1000から1500mlくらい、唾液は刺激があってもなくても出る消化液の一つであります。
特に高齢になると全身的な慢性病で薬を常用しているため、口のなかが乾燥すると訴える患者さんが増えています。