30年来の友人医師から手紙~口と目と病気(パート3)~

人間の口、目、肛門、泌尿器、生殖器は外に解放されておりますので、色々な原因で病気になってしまいます。外からの攻撃に備えて周りに毛が生えており、その内面は粘膜で、皮膚の様な厚い真皮はありません。上記の組織も局所を自分で守るために色々な機能を持っていますが、眼の場合、外からゴミが飛んで来ると瞼を閉じるだけでなく、眼球は外上方に動いて瞳に位置を移動させてダブルブレーキの様に働いて外部からの攻撃に反射的に対応します。また、ゴミが入れば自動的に涙が出て流そうとしますし、細菌などの異物が入ればムチンなどのネバネバした液体を出して、眼球内に侵入出来ない様に一重二重に守られています。口の中だと糸切れの様なものが入ってもすぐに見つけることができます。

昔“トラホーム”と言われ、多くの失明を起こした伝染性疾患は40年前のベトナム戦争から帰って来た兵士達が人生に絶望し、ヒッピーになり、性生活が著しく変化した事で盛んになりました。日本では支那事変から帰国した兵隊達が“トラコーマ”を盛んにした事と同じです。すなわち、トラコーマの病原体である“クラミジア・トラコマチス”が生殖器、泌尿器、口腔、肛門などから発見されていましたが、新しい性生活により目(結膜)と言う、より広い組織にまで感染し、病原体が増殖しました。最近では性知識の未熟な少年少女さえ感染する症例が増えています。また、分娩時に産道から新生児にも感染して、失明する場合さえあります。病原体も生き残るためにより良いいき場所を探して移動します。性生活の正しい知識の普及が望まれます。

皆さん“ベーチェット病”と言う難病を知っていますか?これは皮膚科と歯科と眼科の3科に股がって起きる病気です。皮膚科では紅斑が、歯科では口内炎、眼科ではぶどう膜炎を起こします。このため我が国に中途失明者が少なくなかったのですが、最近新しい治療法が開発されて失明者が激減しております。シルクロード沿いの国々に多い事がわかっており、特定の白血球の型に多い事も判明し、北大眼科,道医療大眼科、愛心病院眼科に専門医がいますので、口内炎、繰返す口内アフターと視力障害がある人は早めに上記の病院を受診した方が良いです。

パソコンやテレビの普及と共にドライアイな患者さんが多くなっております。これは目だけでなくドライマウスも起こして来ています。自分で対策を講じても改善が見られないのであれば、早めにお医者さんにかかりましょう。受診する診療科は、歯医者さんや眼科医がいいでしょう。ひどいドライマウスに悩まされる人もいますが、中には徐々にドライマウスが進行していく人もいます。「最近口がよく乾くな」と感じたら、病気が隠れているので、軽視しない事が重要です!(続く)

青木 功喜