昭和の診療室

2010年 3月 6日

受 付
当時の窓口は小さいものでした。
”病”という暗いイメージをそのまま表現していたのかもしれません。
あるいは、患者さんの痛みと不安の表情を見るのがつらいからなのかもしれません。
でも、それでは、治療を終えた患者さんの喜びの表情も見ることができません。
これこそが生きるエネルギーとなるのに見過ごしてしまう。
今では、ホテルのカウンターのように大きく開かれているのが普通となりました。
患者さんの不安な表情を見るのは辛いけれど、
大きく心を開いてそれを共有したいと思います。
そうして、患者さんが再びこのカウンターにたつ時には、
安心・安堵の表情を見れるよう頑張ろうと思います。
その他いろいろお話して楽しいです。

診療台
昔は、垂直に座っている患者さんを治療するしかありませんでした。
これでは、治療する側、される側共に大変でした。
する側としては特に座高の高い人の治療は本当に困難でした。
今では水平ベッドというもので、水平治療が可能になりました。
先人の恩恵の上にあるのだなとしみじみ思います。
日常の雑多なことにこの感謝がすり減らないようにと思います。
アームについているのは、ベルトで駆動する電気エンジンです。

診療台と薬品庫
奥に見える歯をぐるぐる削るこの機械(エンジン)も進歩しています。
この四角く見えるのは、オイルタービンで、かなり重たいベルトがついています。
今はエアタービンが普通です。
子供にはこのながひょろいものがキングギドラに見えてるかもしれないな。
これが、子供に好かれる可愛らしいものに見える日が来れば良いなと思います。

レントゲン、赤外線ランプと古時計
右側の機械がレントゲンで左が赤外線ランプです。
なにげなく見えますが、なるべく高感度のフィルムを使うことで、
放射線の量を減らすようにしてます。
赤外線ランプは現在も球が切れない限り使用可能です。
赤外線を腫れている部分に数分間照射して痛みを和らげます。

昭和63年
水平の治療いすで現在でも使用できます。
左側の黒い小さい四角は、口腔内のレントゲンの機械です。

今でも古い機械が使えることをうれしく思います。
よく家族からは古いものは捨てろと言われますが・・・。

とはいえ、ひとつ残念に思うことがあります。
それは、祖父が使っていた足踏み式のベルトエンジンがあったので、
将来の歯医者の卵の学生達に見てもらいたいと、
北大歯学部理工学教室に寄贈したのですが、
とある事情で廃棄されてしまったのでした。
自分のホームページに載せたいと写真を撮りに行ったときに知りました。
あ~残念でした。
詳しくは、歯の話2006年6月号を見てください。
悲しい気持ちを理解して頂けると慰みます。